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髪の話題や髪の毛に関する知識や情報を、わかりやすい「お話し」として紹介する髪の専門サイトです。

キューティクル(毛表皮)の構造や機能・役割などのまとめ! 髪を保護している組織で、髪のダメージを防ぐためにもぜひ知っておきたい部分です。

「キューティクル」はテレビCMなどで知名度が高く、ご存知の方も多いと思います。

キューティクルの印象としては、ツヤ・手ざわり・ダメージなどに関係しているという認識ですが、正確にキューティクルとは何かといえば知らないことのほうが多いのではないのでしょうか。

今回はそのキューティクルのお話しをしたいと思います。

ちなみにキューティクルという言葉は英語での読み方(cuticle)で、日本語では「毛表皮」や「毛小皮」などと言います。しかし現在ではキューティクルという語のほうが一般的に広まっているので、当サイトでもキューティクルで統一します。

この記事の目次(もくじ)

キューティクルの形状や構造

キューティクルは非常に堅く、髪の表面に何層も重なっている

キューティクルは無色透明で、そのひとつひとつは肉眼で確認できないほど小さいく薄い組織なのですが、とても堅くて頑丈な構造をしています。

これが髪の毛の表面を何層*1にも重なっておおっています。その厚さは髪の毛全体からいえば10~15%ほどの割合にもなります。

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キューティクル同士はウロコ状に重なっている

重なっているキューティクル同士は、ひとつひとつが魚の鱗(うろこ)のように重なった状態になっています。日本家屋の屋根瓦にも構造的には似ています。

このようなウロコ状の形状になっているため、堅いキューティクルが何層にも重なっていても曲げたりねじったりすることができます。これにより髪の毛は頑丈さと柔軟さの両方をあわせ持っています。

このウロコ状の形状は根元から毛先へと向かっています。魚でいえば頭、屋根瓦でいえば一番上の高い部分(棟)が根元です。このような形状のため、根元から毛先へ髪の毛を指でつまんで動かすとひっかかることなくスルッと滑ります。逆に毛先から根元へと動かすとひっかかってスルッとは動きません。

そのため髪の毛がキューティクルのひっかかる方向同士で重なると、このひっかかり同士がお互いにかみ合い、髪の毛がからまる場合があります。

このようなもつれを防ぐためにブラシやクシで髪を根元から毛先にむかってやさしく梳(と)いて、余分な髪の毛を除き、キューティクルの方向を整えるようにするとよいでしょう。

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キューティクル同士は接着剤のようなものでくっついている

キューティクルとキューティクルの間にはCMC*2と呼ばれるがあり、それがキューティクル同士を結びつけています。

このCMCは毛髪内部までいたる髪の毛全体にいきわたっており、毛髪内のさまざまな組織をつなぐ役割をしています。また水を通す性質もあるので、毛髪内部のすみずみまで水分を行き渡らせる、いわば水の通り道としての役割もあり、毛髪内部の水分量の調整をするのにも使われたりしています。

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ダメージが少ないキューティクルの表面には「ぬめり」がある

ダメージが少ないキューティクルの場合、表面に独特の「ぬめり」があります。

これはキューティクルの表面部分に 18-MEA(18-メチルエイコン酸)という脂質がくっついていて、これにより髪は独自の「ぬめり」を持っています。

この18-MEAはCMCの一つで、キューティクルの表面側にだけ18-MEAはあります。18-MEAはキューティクルとCMCを結びつける役割があり、毛髪および人体全体をみても髪の毛のこの部分にしかなく、他の部分にはありません。

この18-MEAは髪の毛のダメージに深く関わっています。キレイで美しい髪を維持するためには気をつけなければいけない大切な部分です。

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キューティクルの機能や役割

キューティクルは髪を保護している

キューティクルの役割の一つは髪の毛の保護です。とても堅く何層にも重なっているキューティクルは、外部の環境の変化や刺激から髪の毛を守っています

キューティクルひとつの一片の中には堅く頑丈な層*3があり、物理的な力に対してある程度強い防御力を持っています。そして薬液などの化学変化にとても強い層でおおわれ*4、また紫外線などもある程度防ぐ効果も持っています。このような防御機能を使って、キューティクルは髪の毛を保護しています。

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キューティクルは髪の水分量を調整する

キューティクルは通常ではウロコ状の層は閉じているのですが、髪の毛内に必要以上の水分があるときはその層が開き*5水を排出するように働きます

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キューティクルは皮脂を髪の毛に運搬する

キューティクルの表面に結合している18-MEAは毛穴から分泌される皮脂を運搬する機能があります。

これにより髪の毛は皮脂によってコーティングされ、摩擦や乾燥を防ぎ、しなやかに髪をまとまる効果を与えます。

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キューティクルは毛穴から排泄される有害物質を髪の毛に運搬する

また毛穴からは皮脂と一緒に有害物質や重金属といった人体にとって有害なものも排出します。じつはこれらも皮脂と一緒に髪の毛に運搬されていき、髪の毛はカットしなくても自然に抜けるので、これによって有害物質や重金属を体外に排出します

このような重要な役割もキューティクルは持っています。

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今回はキューティクルの形状と役割について書きました。読んでいただけたら分かりますように、キューティクルはさまざまな重要な役割を持っています。

このキューティクルが傷ついたり剥(は)がれたりなどすると髪が傷む、いわゆる髪のダメージにつながります。髪のダメージについては別途記事にしていますので、そちらを参照してください。

最後に余談なのですが、英語の「cuticle」は日本語では「角皮(クチクラ)」とも訳します。cuticle の意味は「生体物の表面を保護する丈夫な層や膜」といった意味もあり、爪の甘皮も英語に訳せば「cuticle」と言います。

以上、キューティクル(毛表皮)のお話しでした。

*1:個人差はありますが、日本人ではだいたい6~10層。

*2:Cell Membrane Complex の略。日本語で細胞膜複合体。

*3:キューティクル一枚自体も4層構造で、最も外側に元々細胞膜だったエピキューティクル(表小皮)というとても薄い層があり、その中に上から階層的にエクソキューティクル(外小皮)A層、エクソキューティクルB層、エンドキューティクル(内小皮)という構造をしています。ちなみに物理的にもっとも堅い層はエクソキューティクルA層。

*4:薬液の耐性はエピキューティクルが最も強い

*5:層が開くのはキューティクル最下層のエンドキューティクルが水を吸って膨張するため。

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