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髪の話題や髪の毛に関する知識や情報を、わかりやすい「お話し」として紹介する髪の専門サイトです。

毛根や毛包など頭皮の下にある毛髪の組織まとめ! 複雑で難しい名前が多いですが、髪の毛を作る大切な場所です。

髪の知識

髪はご存知のとおり頭皮から生えています。

頭皮は平均して2〜3mmの厚さがあり、このわずかの間に髪の毛が生えて伸びる仕組みがあるということです。

この部分、つまり毛穴の奥は、実はとても複雑で緻密(ちみつ)な構造をしています。しかも難しい名称もいっぱいです。

ですが、髪の毛の構造と同じように素晴らしい構造をしており、人体の仕組みは上手くできていると関心させられます。

今回はそれら名称や役割など、皮膚の下の髪の毛について、簡単ではありますが書いていきたいと思います。

この記事の目次(もくじ)

毛根と毛包の構造や役割

髪の毛は皮膚より上にある髪の毛を毛幹と呼び、皮膚より下の部分を毛根と呼びます。

皮膚中の毛根には、その周りを包むように組織があり、それらを毛包(もうほう)または毛嚢(もうのう)と呼びます。毛嚢は「毛嚢炎」など医学的な呼び方で、嚢(のう)とは「ふくろ」のことです。

これらはその字のごとく、皮膚が袋(ふくろ)のような形状をしており、毛根を包むような構造をしています。

髪が直毛の場合でも基本的には皮膚面に対して斜めの角度で配置されており、そのため髪の毛もその角度にそって斜めに伸びていきます。

毛孔

毛包は大きく分けて皮膚表面に近い部分と、それより下の部分とに分けられます。正確には毛穴に皮脂腺から皮脂を分泌する部分である皮脂開口部から皮膚表面近くまでの部分と、皮脂開口部から下の部分で構造が少し変わっています。

この皮膚近くの毛穴周辺の組織を毛孔毛孔部などと言います。ちなみに「孔」とは「あな」という意味で、いわば毛穴のことです。

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毛包漏斗部

毛孔の皮膚表面近くで漏斗(ろうと)状になっている部分を毛包漏斗部(もうほうろうとぶ)と言います。

漏斗とは、口の小さな容器に液体を入れる時に便利な、アサガオの花の形に似たあの道具のことです。

つまり、漏斗に似た形状の部分のことで、この部分のことを指しています。

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皮脂腺

皮脂を生成する器官のことを皮脂線と言います。脂腺とも呼ばれています。

皮脂線で作られた皮脂は、皮脂開口部から毛孔(毛穴)に分泌され、頭皮や肌といった皮膚から分泌される汗などと混ざりあって皮脂膜を形成します。ちなみに皮脂腺は毛穴には必ずある組織です*1

この部分では、毛髪と毛包の間に空間ができており、皮脂はこのすき間に分泌されます。逆に言えば、この部分より下部は毛髪と毛包との境にこのような空間やすき間はありません。

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毛根を包む層

毛包を毛孔部以外の部分を横に切断してみたとしたら、髪の毛の構造と同じように様々な層があります。これらは中心にある毛髪を袋のように包み込んで毛包を形成しています。

これらは外側から総合組織性毛包硝子膜(しょうしまく)、外毛根鞘内毛根鞘となっています。

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総合組織性毛包

毛包の一番外側の層です。

真皮と切れ目なく連続してつながっている組織で、毛細血管と膠原線維(コラーゲン繊維)などからできています。

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硝子膜

基底膜とも言われ、皮膚では表皮と真皮*2の境目にある膜で、毛包では総合組織性毛包と外毛根鞘の境目にあります*3

総合組織性毛包と同じように毛包全体を包んでいますが、硝子膜(基底膜)は毛乳頭と毛母細胞との境目まであり、これは毛乳頭が真皮で、毛母から生まれた細胞=髪や毛根鞘が表皮の部類に入ることを意味しています。

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外毛根鞘

毛根部の毛髪を刀の鞘(さや)のように包んでいる毛根鞘の外側の部分で、漏斗部では被覆(ひふく)表皮、つまり頭皮など皮膚表面とつながっています。

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内毛根鞘

先ほどの毛根鞘の内側の部分で、細かく言えば鞘小皮Huxley(ハックスレー)層Henle (ヘレン)層の三層に分かれています。

このうち鞘小皮は髪の毛のキューティクル(毛小皮)表面の凹凸と噛み合うように合致しており、これによって毛髪は固定されています。

また内毛根鞘は漏斗部に近づくにつれて角化していき、皮脂開口部がある辺りで落屑(らくせつ)、つまり剥(は)がれ落ちます。

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毛球

毛根の最下部には植物の球根のようにふくらんでいる部分があります。そのふくらんだ部分を毛球と言います。

この中には髪の毛を製造する最も重要な工場がある部分で、髪が伸びる大元です。

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毛乳頭

毛球の中心にあり、真皮がドアノブのような形で毛球内に入り込んだような形状になっている組織です。毛乳頭自体は卵や洋ナシ、ボーリングのピンのような形をしています。

毛乳頭には毛細血管と神経が入り込んでおり、髪の毛を作るための栄養を毛母に運ぶ役割があります。

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毛母細胞

毛乳頭をすっぽり覆(おお)うにある細胞で、髪の毛になる細胞を分裂・増殖することでつくっている細胞です。

この細胞は毛乳頭周辺に多数あり、こらら細胞をまとめて毛母基毛母体、単純に毛母などと呼んだりします。

これらの細胞は毛髪以外にも毛根鞘などになる細胞も作くられており、人体の中でも細胞の活動がとても活発におこなわれている細胞の1つです。

この部分で細胞はどんどん作られ、それにより髪の毛は下から押し上げられる形で伸びていきます。

このように細胞の働きがかなり活発で速いため、ガン細胞のような速く分裂・増殖する細胞を標的とする抗がん剤治療や放射線療法などの治療の際にこの細胞も標的となるため、それが原因で毛髪が抜けるという副作用でる場合もあります。

なお、毛母細胞と毛乳頭の間には硝子膜(基底膜)があるだけです。

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メラニン細胞

メラノサイト色素細胞などとも呼ばれ、髪の色の元であるメラニン顆粒(メラニンかりゅう。またはメラノソーム)を作り出している細胞です。

毛乳頭の周辺にあり、毛母細胞から生み出される細胞にメラニン顆粒を植え込みます。

この細胞が働かないと髪の毛は白髪になります。

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他の器官や組織

毛包にはこれら以外に以下のようなものもあり、これらも髪にはなくてはならないものです。

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毛隆起 (バルジ)

外毛根鞘の一部分に他の部分とは異なり隆起している部分があります。その部分は毛隆起またはバルジ領域*4と言われています。

この部分には毛母細胞やメラニン細胞の元となる幹細胞があることが発見されています。

これは、毛髪の生え変わるヘアサイクルにおいて、新しい毛母細胞やメラニン細胞を作り出す元となる細胞で、育毛や脱毛において今注目されている部分です。

また毛隆起から皮脂腺の下までを毛峡部毛包峡部などと呼び、そこより下を下半部毛包下部などと呼ぶ場合があります。

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立毛筋

毛包の外毛根鞘と真皮上層の間に斜めに配置されている筋肉で、先ほどの毛隆起と結合しています。

「立毛」という言葉通り普段は斜めに生えている毛髪を寒さや恐怖、驚きなどを感じると立毛筋はちぢみ、毛髪をまっすぐに立たせる機能があります。

このとき毛が起き上がることで毛孔が少しもり上がり、毛孔(毛穴)自体を塞(ふさ)ぎます。これが鳥肌という現象が生じる原因です。

このような機能によって、体表面を覆う空気の層を厚くすることができ*5、なおかつ毛孔からの放熱を閉じることでおさえることができます。これにより保温性を高め、体温を守る効果を高めることができます。

また、立毛筋が縮むと真上にある皮脂腺を圧迫し、これにより皮脂を押し出す効果もあります。

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毛包受容器

毛包に巻きつくようにある神経細胞のことで、これにより髪の毛の傾きや動きといった感覚を感じることができます。

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神経と血管

毛包の周辺には神経細胞と毛細血管が、毛包全体を包むように存在しています。

これら血管や神経は、髪の毛を作る栄養素や酵素・ホルモンなどを毛包に与え、毛母細胞を髪の毛に成長させるためのコントロールをする役目を持っています。

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このように毛根および毛包は、さまざまな器官や組織が見事に組み合い機能して、髪の毛を作り出しています。

ですが、これらは髪の毛に関する事の、ほんの一部でしかありません。実は毛根や毛包、つまり髪の毛に関することは、解明されていないことがまだまだたくさんあるのです。

ですが、毛髪の研究や科学技術の進歩により、近年では分からなかった様々なことが解明されてきています。

これらの部分はどうしても専門的になりますので難しいのですが、ちょっとだけでも頭の中に入れておけば髪の毛に関する情報に触れたときに何かの役に立つ、なんてことがあるかもしれません。

以上、毛根や毛包についてのお話しでした。

*1:ワキ毛など一部の体毛には皮脂腺の上に汗腺が存在するのですが、頭皮にある毛穴には汗腺はありません。

*2:皮膚は表皮・真皮・皮下組織の三層構造になっています。

*3:毛包の場合、総合組織性毛包など外側が総合組織成分、内側の毛根鞘が上皮性成分となっています。

*4:ちなみにバルジ(bulge)とは、ふくらんでいる部分という意味です。

*5:ただし人間の場合は体毛がかなり退化しているため、この効果はあまり期待できません。

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