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髪の基本的な役割や機能についてまとめてみました。髪の毛は私たちの生活に生理的にも文化的にも密接に関わっています。

当サイトは「髪の毛のお話し」といいます。名前のとおり髪の毛と、髪に関係した記事をアップする専門特化型のサイトです。

髪を専門にあつかいますので、当然髪の毛に関する基礎的が知識があることを証明しないと、このサイトのことを信用してもらえないと思うのです。

ですので、今回から何回か、髪の毛の基礎的な役割や構造といった知識(いわゆる毛髪理論)を、お話ししていきたいと思います。


私たちの体はうまくできていて、だいたいは何らかの役割や機能をもっています。かつて無用の長物と言われていた盲腸(虫垂)も最近ではそうではなかったという研究結果が公開されています。

リンク:無用の長物と考えられていた虫垂の免疫学的意義を解明〜炎症性腸疾患の制御に繋がる新たな分子機構〜

とうぜん髪にも何らかな役割と機能があります。まずはそんな生物という観点からの、髪の基本的な役割と機能を簡単ではありますが紹介していきます。

この記事の目次(もくじ)

髪の生理的な役割

髪の生理的な役割その1、保護

髪の基本的な役割のひとつは保護です。髪はいろんなものから私たちを守ってくれます。

クッション

髪の毛はたくさんの繊維が空気をふくみながら重なりあっている構造上、衝撃をやわらげるクッションのような役割を持ちます。

これにより大事な器官が多い頭部を、外部の物理的な刺激や衝撃から頭部を守ってくれる効果があります。

実際、髪が長い人と、ボウズぐらいの短い髪の人とでは頭部をケガしたときのキズの大きさが違うという話を聞いたことがあります。

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断熱

断熱とは熱の移動を防ぐという意味です。つまりは暑さ寒さを防ぐ効果があるということです。

髪のような繊維状のものは、先ほども書きましたが間に空気を多くふくんでいます。このような構造のものはその空気の影響で熱の移動(熱伝導)を低くなるという機能を持っています。

簡単に言えば羊毛のセーターや羽毛のふとんが暖かったり、発泡スチールが保冷性が高いことなどと同じ原理です。

また動物の毛の中には、その一本一本が構造的に高い断熱機能をもっているものがあります。人の毛髪にもそれに近い構造*1があるものがあり、そのような毛髪は断熱効果が高いと考えれれます。

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毛髪および体毛は、基本的には斜めに生えています。これは本来、動物が雨などの水滴を角度のついた毛に沿って素早く皮膚表面から流れ落とすためにある機能です。

というのも、水滴などの水分が体表面につくと、体の熱を吸収して蒸発します。これは気化熱という現象で、これにより体温は急激に下がってしまいます。

体温の低下は、体温を一定に保つ私たちのような動物にとって、命にかかわる危険なものです。なので、体温を下げないために体毛が斜めの角度になっているのです。

人間の毛髪や体毛も、その名残りで斜めに生えていますので、機能的にはこのような機能を持っています。ただし、人類は水分(汗)が蒸発する気化熱を使って体温調整をするという進化していますので、その過程で体毛はだいぶん退化しています。

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日光

髪は日光からも頭部を守っています。特に髪の毛にふくまれているメラニン色素は、紫外線、可視光線、赤外線などの光線を吸収する機能があり、髪の色が濃い、つまり黒髪になるほどその機能は強くなります。

特に紫外線は多くあびると、頭皮に老化や日焼けといったダメージを受ける可能性があります。髪の毛の色はそれらを軽減し、ダメージを受けないように働いています。

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乾燥

髪の毛が生えている毛穴からは、皮脂という脂が分泌されています。この脂は汗などと混ざり皮脂膜という天然のクリームになって皮膚および髪の表面をおおいます。

また髪は脂質(油脂)との吸着性が高く、皮脂を髪の毛全体に行き渡らせる機能もあります。これにより髪の毛自体も皮脂の膜により自然とコーティングされます。

これら皮脂は、いわゆる保護膜のような働きをします。これにより皮膚や頭皮、そして髪の毛が乾燥することを、おさえてくれます。

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外的刺激

上記の皮脂膜は脂肪酸によりpHが弱酸性をしめします。これにより皮膚や頭皮上で雑菌が繁殖するのを抑えてくれます。

このような作用により、有害物質や感染などといった外部の刺激から私たちを守ってくれています。

また肌や髪は弱酸性の状態が構造的に1番安定するのですが、皮脂膜自体は弱酸性ですので、この膜に包まれることで髪や肌はもっとも安定した状態になります。このように私たちは安定した髪や皮膚などによって、外的な刺激から守られています。

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髪の生理的役割その2、排出

髪の毛の生理的な役割として、保護以外にも排出という機能があります。

髪や毛には有害物質や重金属*2といった人体に悪い影響を与えるものを取り込み、髪や毛として体外に排出する機能があります。

また皮脂には有害物質や重金属を排出する機能があり、それらは垢(あか)や毛髪が抜け落ちるのといっしょに体外に排出するという重要な機能があります。

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髪の文化的な役割

先ほどの生理的な機能は、有害物質の排出といった一部の機能をのぞけば、現代の人間社会では衣服や住居などで代用できたりします。なので、あまり有効性が感じられないかもしれません。

現代においての髪の毛の役割は、どちらかと言えば文化的な役割のほうが大きくなっている気がします。髪の毛における文化的役割は、以下の様なものがあります。

性的特徴

性的特徴とは、男女における特徴的な部分のことです。身体的に男女に違いがあるように、文化的に服装などで違いを受ける場合があります。簡単に言ってしまえば「男っぽい」や「女っぽい」といったところです。

髪でいえば髪型などで男女の違いがあったりしました。昔の日本で言えば男性はちょんまげ、女性は日本髪といった様なことです。最近ではそのような違いは無くなってきていますが、いまでも性的な特徴を表すのに髪型が使われる場合があります。

極端な例えですが、髪が長く、ゆるくふわっとしたカールをしている髪型は女性ぽい印象をあたえます。男性が女装するときなどは、このような髪型にしたりウイッグをかぶるなどをして、女性であることを表すことがあります。

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おしゃれ・身だしなみ

人間の社会、特に現代において、おしゃれや身だしなみは自己表現や満足感、集団活動における礼儀やマナーなどにおいて重要な要素を持っています。

とうぜん髪も、おしゃれや身だしなみと深い関わりがあります。例えば髪型には流行の髪型や個性的な髪型がありますし、就職面接では髪を切りそろえて身だしなみを整えたりします。

また昔の日本ではちょんまげや日本髪が普通でした。つまり、おしゃれや身だしなみは、その時代における風習や流行、生活様式などことで、その中には髪型などといった髪も当然ふくまれています。

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風習・儀式

日本の風習である七五三で、三歳のときに行う儀式を「髪置きの儀」と言う地域もあります。

昔の日本では、男女とも三歳までは髪を剃り、三歳の誕生日になって初めて髪を伸ばす風習があったそうです。これは乳児の頃に髪を剃ることで、次に健やかな髪が生えてくると信じられて行われていた行事です。*3

参考リンク:七五三(年中行事・節句)〜日本の行事・暦

今では「三歳まで髪を剃る」などというような風習を見かけることはありませんが、髪は地域や時代によって、様々な行事や儀式などに使われてきています。

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QOL

QOLとはクオリティ・オブ・ライフ*4の略で生活の質という意味です。

これは、その人がどれだけ人間らしい生活自分らしい生活を送っているかということを尺度としてとらえることで、つまり、人生や生活に対する幸福度や満足度といった尺度のようなもので、近年において重要視されている項目です。

例えば自分の髪が手触りやツヤが良い綺麗で美しい髪ならば、幸福感や満足感を高く感じると思われます。しかし逆に手触りもツヤも悪い枝毛だらけのダメージヘアになったら、先ほどの幸福感や満足感はどうなるでしょう?

また、がん治療をおこなっている方は、その副作用で髪が全て抜け落ちる場合があります。円形脱毛症の全頭型などは原因が分からないのに突然髪の毛の全てが抜けてしまいます。これら症状の方々が以前と同じように自分らしい生活や人生をおくれるかといえば、これら症状がその質に対して強い影響を与えるでしょう。

これらは「生きていく」という事に関しては支障はないかもしれません。ですが生活ひいては人生においては影響を与えます。つまり生活する中で、その質(クオリティ=品質)を落としてしまう場合があるのです。

このような人生の幸福度や満足といったことに重点をおき、それらを改善または向上することを「QOLの改善」「QOLの向上」と言います。その中には当然、髪の毛の存在もQOLにふくまれています。

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このように髪の毛は、生理的にも文化的にも私たちに深く関係している大事なものです。

特に髪の生理的な役割は、現代の技術があっても再現するのが難しいほどのすばらしい構造をしており、その構造によってこれらの機能を持つことができています。

では、その構造や仕組みはどうなっているか、気になりませんか?

以下には、髪の構造や仕組みについてまとめてあります。よろしければご参考にしてください。

以上、髪の役割についてのお話しでした。

*1:メデュラ(毛髄質)は構造的に多くの気泡をふくみます。

*2:水銀やヒ素など

*3:赤ちゃんの産まれた時の髪は胎内で生えていた産毛(胎毛)で、この毛は生後3ヶ月頃から抜け始め、3歳ぐらいまでには髪の毛に生え変わります。

*4:Quality Of Life

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