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育毛剤やトリートメント剤で、誰もが100%「治る」は無い(現段階では)

先日、某女芸人さんが医師を批判したニュースがあります

リンク:くわばたりえが猛批判した医師の発言「病院は100%治せるわけではない」 - ライブドアニュース

要約すれば、病気が治らなかったから治療費を返せといったクレームに対して、最善を尽くして診療に当たるが誰でも100%病気を治せるわけではないと言った医師に対し、女芸人さんが病院がそれを言ってはいけないんじゃない?と批判した、という内容です。

『治す』という言葉は「病気やケガをなくして、元の健康な状態に戻す」という意味です。ほんとうは医師の方々もそうしてあげたいと思われているのでしょうけど、そうはまだできない現在の医療に歯がゆい思いをされていると思います。

この『治す』という言葉が、髪の毛に関してもあてはまるものがあるます。一つは薄毛や脱毛、ハゲといった育毛関係の「治す」。もう一つがトリートメントといった髪のダメージを「治す」です。他のもの(パーマをなおす、寝ぐせをなおすなど)は「直す」です。

この髪の毛に関わる『治す』も、現在のところ誰でも100%治せるわけではないとはっきり言えます。そのことについて、今回はお話ししたいと思います。

育毛の「治す」

よく「ハゲは絶対治る」などと言っている広告やサイトがありますが、誰でも絶対治るということは現在のところ言い切れません

厳密には薄毛や脱毛、ハゲといったものなかで1番多い症例である男性型脱毛症は、発症する仕組みがある程度解明されていますので、その患者さんは治ることもあります。

しかし、円形脱毛症や慢性びまん型脱毛症は原因が解明されていません。また男性型脱毛症であっても100%原因が解明されているわけではありませんので、症状が改善されない方もおられます

例えば、男性型脱毛症に効果があるフィナステリド内服(プロペシア)であっても、臨床試験の結果では男性型脱毛症ガイドライン(2010年版)にて以下のように報告されています。

国内臨床試験では、1mg日投与群における頭頂部の写真評価において、軽度改善以上の効果が 58% にみられ、不変以上の効果は 98%に認められた。

このように、効果が期待できると言われるフィナステリドで、軽度改善以上の効果は58%、現状維持または変化ナシもふくめても98%です。それなのに「絶対治る」と主張しているところは、疑ってかかっても良いと思います

ただし、分からないことがあるとはいえ、男性型脱毛症は発症原因がずいぶん解明されてきたので、昔に比べて格段に効果がある治療法が増ええいることは事実です

昔のように、どんな努力をしても効果がなく、あきらめるしかなかったものでは無くなってきています。

ダーメジ毛の「治す」

近年のヘアカラーの普及に伴い、髪の毛のダメージであるダメージヘアの問題は、実は深刻になっています。

それに伴って、最近では髪のダメージケア、ヘアトリートメントに重点をおいた商品やサービスも増えています。

特に美容室などで施すサロントリートメントでは、「髪のダメージが治る」と主張するトリートメントメニューもあります。

はっきり言いますが、現段階の技方や薬剤では髪のダーメジを治して元の健康的な髪にもどすことはできません

というのも、トリートメントによるダーメジケアはいわば誤魔化し(ごまかし)です。

トリートメントの仕組みを簡単に解説すれば、髪が失ったもの(ケラチンタンパク質など)を薬剤の成分で補い、それらが髪から簡単に出ていかないように油膜などでコーティングするのが主な仕組みです。

つまり、補修成分が流れ出れば元のダメージヘアに戻ります。これでは治ったとは言い難いものがあります。

とはいえ、こういったトリートメントがダメだということではありません。現段階では完全に髪のダメージを治すことはできませんので、この「ごまかし」はダメージをこれ以上進ませないためにも非常に重要ことです

ですが、先ほどでたコーティングがくせ者なのです。これらコーティングが髪に残り蓄積されていくと髪に悪さをするのです。

これの代表的なものがシリコンです。シリコンがふくまれていないトリートメントだとしても(たとえオーガニックなどと言われていても)仕組みは同じですので、コーティング成分が髪に残って蓄積されていくと、良い結果にはなりません

特にサロントリートメントなどでは強力にコーティングするものがあります。最初は感動するほど指通り、手ざわり、ツヤが良いのですが、1カ月2カ月、半年とたってくると、髪のダメージは進む一方でどんどん傷んでいく……なんてこともあります。

なので、ダメージ毛が「治る」ということはありません。髪のダメージは根本的な完全治癒は切ることしかなく、それ以外では髪が失った成分を一時的に補うことで健康的な元の髪のように見せる「ごまかし」の方法しか現段階ではありません

髪の毛に関することは、実はあまり解明されていません。まだまだ謎が多いのです。

そんな最先端の研究者でも分かっていない髪なのに、「100%治る」というふうに過大に主張しているのは、おかしいと思いませんか?

たしかに正確には騙(だま)すまではいかないグレーゾーンなモノやところが多いのですが、広告として過大に主張してユーザーに大きな期待を持たすことは、業界の全体から見てもあまり好ましくないことです。できれば止めていただきたいのが本音です。

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