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髪の専門家が語る、髪の毛のお役立ち情報
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髪の毛は弱酸性だけど、どうして弱酸性? という疑問を解説。じつは髪の成分であるアミノ酸が関係しています。

髪や肌は弱酸性なので、弱酸性のシャンプーとかが良いとよく聞きます。

ですが、こちらの記事のように pH を測るには水分が必要です。肌も髪も pH を測る水分が無いため、本当は測れません。

では、どうやって測っているのかといえば、肌はその表面にある汗と皮脂が混ざった皮脂膜からです。

つまり、お肌の pH とは皮脂膜の pH のことです。

では髪はどうかと言えば、髪が水分をふくんだときの表面や内部にある水分の pH の値からです。

これがだいたい弱酸性をしめすので、弱酸性だと言われています。

この水分が、どうして弱酸性になるのでしょうか? 今回はその、髪の弱酸性についての話です。

、記事内容を一部修正)

髪が弱酸性をしめす理由

髪にふくまれた水がなぜ弱酸性になるのか、という話をするには、まず髪の主成分であるケラチンというタンパク質を組成しているアミノ酸の話をしなければいけません。

この、ケラチンに含まれるアミノ酸に、髪が弱酸性をしめす理由があるのです。

髪のタンパク質と、アミノ酸

髪は多くがタンパク質でできていて、そのタンパク質はいくつものアミノ酸が結合してできています。

髪の場合ですと18種類のアミノ酸からできています。これらがどんなアミノ酸かは、こちらの記事に書いています。

アミノ酸同士の結合は、ペプチド結合という長い鎖のような結合で、何十、何百という長い分子構造を作っています。

これらは「主鎖」と呼ばれ、アミノ酸同士を結合させているメインの結合なのですが、結合している分子はアミノ酸の中でも一部の分子同士が結合しています。

アミノ酸にはこれら以外にも結合していない分子があり、それらはアミノ酸の種類によって様々です。

これら主に結合していない主鎖の側にある分子は「側鎖」と呼ばれ、アミノ酸の種類や性質に大きく関係しています

関連リンク: hairs.hateblo.jp

アミノ酸の pH

上記のようにアミノ酸は、側鎖のによって性質が変わります。それらの中には、親水性(極性)、疎水性(非極性)、といった性質を持ちます。*1

この内、水となじむ性質がある親水性のアミノ酸は、水と混ざると酸性、アルカリ(塩基)性、中性という pH値をしめすアミノ酸があります。

これら酸性をしめすアミノ酸は「アスパラギン酸」「グルタミン酸」で、アルカリ性をしめすアミノ酸は「アルギニン」「リジン」「ヒスチジン」なのですが、これらアミノ酸は髪の毛のケラチンにもふくまれています。

このように髪の毛には、酸性をしめすアミノ酸や、アルカリ性をしめすアミノ酸もふくまれています。

これらはペプチド結合をした側鎖に残り、水と接すると若干電離し、水素イオンや水酸化物イオンの量を増やします。

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そして、髪の毛にふくまれるこれら親水性アミノ酸の割合で、酸性アミノ酸の割合が少し多いのです。なので、髪の毛に水が触れると、その水は弱酸性をしめすのです。

まとめ:髪は弱酸性が1番安定する

この様な理由で、髪は弱酸性を示します。

このように水が触れると弱酸性になるのは、この pH値 が最も安定するためです。電離するのは分子構造的に正の電荷と負の電荷が一致していないためで、それらをイオン化させた弱酸性の状態は、電荷のバランスがとれていてもっとも安定している状態だとも言えます。

このように、電離後の化合物全体の電荷平均が 0 となる pH のことを等電点と言います。

ただし髪の場合は、ふくまれているアミノ酸の種類や量によって個人差がありますので、平均でだいたい pH 4.5~5.5 ぐらいの値をしめします。このよう値に幅があるため、髪の毛では等電帯という言葉が使われています。

ちなみにアミノ酸のように、水素イオンを生じる酸性基(カルボキシル基)と水酸化物イオンを生じる塩基性基(アミノ基)のどちらももつ化合物は、その水溶液の pH によってイオン化する傾向が変わります。

簡単に言えば、等電帯から離れると側鎖のイオン化の傾向が変わるのです。

そうなると、この側鎖のイオン化によって結合しているイオン結合(または塩結合)が切れてしまったりします。

これらのことを見ても、弱酸性の状態が結合が強く、一番安定していると言えます。

このように髪を組成しているアミノ酸によって、髪は弱酸性をしめします。そして、その状態が構造的にも一番安定するのです。

実際は、上記のような等電帯というように幅があるように、正確な髪の等電点となれば個人で差がありますが、等電帯ぐらいの差ならば影響はほぼ無いと考えます。

だからと言って、「弱酸性の製品だから、髪に良い製品」と考えるのは早計です。

たしかに弱酸性は髪によいのですが、それら以外が合わなければ、あなたにとって良い商品とは言えない、ということもあるのです。

ですが、髪の毛は弱酸性が一番安定するのは本当です。

髪の健康やダメージを考えるなら、「髪には弱酸性がよい」という言葉を、頭の片隅に入れておいても損はないと思います。

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*1: 極性とは、分子において正電荷(原子核)と負電荷(電子)の数が一致しないもの。逆に非極性は一致するもの。基本的に極性があるものは、同じ極性がある溶媒(水など)に溶けやすい。参考リンク:極性分子 - Wikipedia